のぐ地久三事務所 (畜産事務所)

農場HACCP認証の構築 第6回内部検証 維持審査までの日々

維持審査までの過ごし方 内部検証編 nogutikusanの極意

初回審査を受審した時の緊張感は参加した者、責任者でしかわからない不安な時間であったことでしょう。
何しろ、なにを聞かれるのか、それを答える技量が自分にあるのか。そもそも頑張って出来上がった認証文書は本当に大丈夫なのか。
そんな、不安がループし迎えた審査当日。
何とか夕方まで無事進みいよいよ審査結果の報告書を受け取ります。
 
nogutikusanの極意第2幕が始まります。
今回から更新審査までの3年間について順次お話て参ります。

どうぞ最後までお読みください。

さて、大変な労力と、ご苦労が実り初回審査が終わり、不適合がなければ「委員会へ推薦します」旨を審査員から告げられると、初回審査は合格したことになります。

早ければ1カ月後、長くても2カ月かからないまでに「農場HACCP認証書」が交付されその農場は農場HACCP認証農場となります。

ちなみに、不適合がある場合「軽微」の判定では、是正措置報告書を作成し指摘箇所への対応をどのようにしたのか等審査機関へ提出することで一般的には完了となります。

多くは、「観察事項」として指摘されることがあります。
これは、将来その指摘事項は不適合とみなされる可能性があるという事項で「イエローカード」になります。

速やかに是正措置報告書を作成するという物ではなく、次回審査時(維持審査時)にその事項へはどのように対応されたのかその対応について確認されます。
(対応する必要がないと農場が判断した場合はそれを報告すればよいのです)

観察事項は、農場がどのように検討したのか分かればよいので、必ずしも指摘通りに変更したりしなければならないということではありません。

さて、認証書を受け取ると大きなイベントが終わり安堵するというのが、HACCP責任者が感じることでしょう。

しかし、認証は有効期限(認証日から3年後の前日まで)まで何もしないで自由を謳歌すると言うわけにはいきません。

認証を維持するためには、認証後2年にならないまでの間に維持審査を受審しなければなりません。

その間、なにが大事なのかといえば、毎日の作業に伴う記録類の保管と認証文書を更新した場合の記録が大事です。

更新とは、何らかの理由で元の基準を今の基準に直すことで、なぜ直したのか等履歴として記録を保管します。
これによりこの文書はいつ変更しどのような理由で変更したのかすぐにわかります。

一般的に、初回審査時には様々な指摘や指導を受けます。
その中身は認証の上で重要な指摘、認証も関連するが農場運営から衛生管理的視点からの指導もあります。

審査員によりますが、指導される内容は大変参考になる箇所が多く、交差汚染、衛生管理区域等農場しか見えなかった視点から外から見た視点を指摘しますので、より農場の衛生管理意識が向上します。

このこともあり、多くは初回審査後この指導事項を中心にチーム内で検討し自農場取り入れる方法や無理のない技法を検討し確立します。
これも一種のPDCAになります。

PDCAサイクルは農場HACCP認証では大変重要な考えを持っています。最初にお話をしましたが農場HACCP認証ではHACCPの考えを取り入れ、システムの構築をしていきます。
しかし一回出来上がると更新する必要性がHACCPにはあまりないため、柔軟により良い考えを取り入れる視点をいれることからISO22000の考えを入れているのが農場HACCP認証の考え方です。

このPDCAサイクルの考えはISO22000からその発想があるのです。

詳しくは私たちのPDCAサイクル研修をご参照ください。


そのPDCAを最初に回すのが初回審査の指導事項になるところが多く一般的に感じます。
構築指導している私たちでも、審査員の方の知見の深さには大変感心しいつも学ばせていただいているように感じます。

そのPDCAサイクルですが、多くは回すタイミングが分からず、維持審査まで何もしていないというところも一部ですが見られます。

従業員の意識向上の第1歩はこのPDCAサイクル力を持たせることが大事だと私たちはいつも思います。

何も考えないところからは何も生まれない。

毎日惰性で動き、問題を問題と認識しなければ何も変わりませんし、不自由を当たり前を感じてしまうある意味無気力的組織になってしまいます。

そのようなことないよう考えることがとても大事なのです。

余談ですが、私の師匠は「いつも考え続けなければならない」と口癖に言っていました。
私がまだ若いころは、考える内容はない。毎日仕事に追われそんな暇がないというところでその言葉は分かりませんでした。
しかし、責任ある立場年齢に到達したときその考える力というのは組織のみならず衛生管理のこと、後輩に教えること、技術伝承に必須であったと感じます。

考えるとは、哲学のように考え続けることではありません。
課題や問題点を見つける能力を磨き、それを打破(解決)するために考えるということです。

農場HACCP認証でも、自立した従業員になることを目標にしています。
まさに今お話した内容です。

話を戻し、維持審査までの最長2年間には、日常管理の記録の保管、更新したことが分かる記録や履歴の作成、内部検証です。
また観察事項への対応についても検討しなければなりません。

農場HACCP認証では今お話した記録類の保管は必須ですが、一般的にこれは難易度が高いものではありません。
大事なのは、より良いシステムのために何ができるのかという意識です。
その第一歩が初回審査時の指導事項を参考にした臨時の検証も良いでしょう。


第6章には内部検証を実施しシステムの改善や更新を行い最新に対応しより良いシステムに絶えず見直しをしていきます。
多くは、内部検証を年1回又は2回と定めていることと思います。(中には定期的と表現し1年とか期限を決めないという方もいますが)
この検証は、後の維持審査に際しとても重要な書類になります。
たかが検証まあ30分もあれば終わるからと言うわけにもいきません。検証の目的は様々ありますが、一番はシステム構築後の変更事項の漏れ抽出もありますし、先ほどのように課題を見つけることが大事です。
課題を見つけると、その方法を考えます。
内部検証での課題はシステム変更に直結する事例も意外と多くチーム責任者の力量が大事です。
それでは、内部検証の方法を見て見ましょう。

内部検証
内部検証は要求基準の第6章の1に規定があります。
7つからなり以下のようになります。
1、検証員は経営者が指名すること
2、内部検証は手順を明確にし、定めた間隔で計画的であること
3、検証は文書や記録の点検から改善する事項を見つけ、現場での観察やインタビューで確認する
4、検証員は自農場所属者は避けるべき
5、内部検証には外部の専門家を利用することが出来る
6、検証結果は内部検証報告書で文書で報告する
7、検証の結果は経営者とhaccp責任者へ提出し改善点は改善をしさらにより良くしていく

このようになりますが、つまり
内部検証員は経営者が決定し、検証は内部検証計画書を作成して計画的に行うことになります。
定めた間隔で計画的とは、農場で決めた時期を言います。
つまり年1回又は2回とした場合の事を言います。
月まで決めた場合はそこも含めます。
(例 年1回3月とした場合は毎年3月となります)

検証時には、チェックリストを作成してスムーズに進めるのもとても良いことです。
このリストも記録になりますので保管しましょう。

内部検証はチェックリストを使いながら進めていきます。これにより何を確認したのかどうしたのかまで記録になります。
また、後日作成する報告書の際にも必要になるかもしれません。メモ代わりにもなります。

検証後は、内部検証報告書を作成し文書で報告します。
口頭報告はできません。後で検証した事実が分かるように必ず文書にします。

内部検証報告書は通常検証後1週間後には作成し提出します。
これは、その後の検討課題等をするうえで必要になるためです。
ちなみに、維持審査、更新審査の際にも記録の一部として提出しますので、検証している結果とみなされる大事な記録です。

なお、最初のうちは内部検証に不慣れなこともあり、外部の専門家の知識を活用して一緒に歩きながら方法を学ぶというところも多く、活用されると良いでしょう。

第6章2は情報を分析することを規定しています。
記録や情報を基に「情報分析統括表」を作成し適否を確認します。最初は不慣れなチーム員構成になりがちですから、責任者が指導していきます。

この表を作成すると何がシステムから見て不足しているのか分かりますので、改善策に向けた方策を示す資料になります。
作成したらこの記録表も保存になります。

このようにシステムが動く時は経営者の決済が必要になります。これが第2章6になります。
闇雲に命令だから更新ではなく、このような課題が抽出されたのでこうのように変更いたしますと上がり、良いと決済するのです。
もちろん、経営者から見てこれおかしいだろ?と疑問が生じたとき検討させ変更することもできますが、多くは都度経営者の変更決済があるので現実多いとは感じません。

このように、内部検証までにすることは毎日の積み重ねの記録の保管、一定期間のシステム評価のための内部検証。
農場によりますが「観察事項」の検討もあります。

結局何か考えていなければならないという、先ほどのお話になってしまいますが「これが農場HACCP認証が求めている姿」でもあるのです。

形だけの基準作りは年数かかりますが誰でもできます。

しかし、大事なのはその先でその基準のためには農場無理ない仕組みを自分たちで作り安全を意識し構築し運用し、自身や第三者の指摘をいただき課題を解決するという力を個人、農場へ波及させるというとても大事な制度でもあります。

初回審査を終えると多くの農場からは、このような声をいただきます。

スタートラインに立っただけであり、これから長い長距離走が始まると感じる方もいます。
その通りですし、そんな肩を張る必要はないのですが、安全を意識するには自身の意識も大事と感じるだけでもこの制度を取り入れた意義は大きいと言えますし、経営者の声もあります。

まだまだ課題が抽出され、答えを見つける旅は続きます。
次回は、維持審査についてお話をいたしましょう。

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